去年の今頃、僕は人生初の
”アルファロメオ”を手に入れた。
親しい知人に探してもらったアルファ156セレスピード(2001年)の中古である。価格は市場の半値+αだった。
V6マニュアルという選択肢もあったが、セレにしたのには訳がある。
以前から次のクルマを物色中で、
「お試し」で中古外車に数台乗ることに・・・・・。
その中にオンボロ アルファ155ツインスパークがあった。
この、2000CCのくせに全く落ち着きの無いハイテンションなこのエンジンを、いつのまにか僕は心底「欲しい!」と思っていた。
ホンダビート乗りでもある自分にとって、実パワーは無くとも
「やたら元気に感じる。」このエンジンはとても魅力で、不慣れな左ハンドル5Fマニュアルながら喜んで乗っていた。
しかしこいつは数日たったある日、突然路上で止まってしまった。
キーを回して、セルモーターはやたら元気に唸るものの、肝心なエンジンがさっぱり息を吹き返してくれない。
結局知人にヘルプして「壊れてナンボのイタ車」である事を思い知りながら家まで牽引してもらった。
「そういえばウチの会社の後輩もアルファ145の修理費が払えなくなって泣く泣く売り払ってたなあ。」などと物思いにふけりながら「そういや155の腰高のカクカクウェッジシェイプってキライなんだよな。」「塗装も色褪せてとてもじゃないけどイタリアンレッドってシロモノじゃないし。」などと必死に心でダメ出しをしてその155とはお別れとなったのであった。
しかし物色対象が懐事情上低予算だったこともあり、その中で際立った個性を発するクルマはアルファロメオのツインスパークエンジン搭載車しか無いと思う様になっていた。
そこでアルファ156セレスピードを探す事に。V6エンジンは乗った事が無かったが、考えてもいなかった。音はツインスパークエンジンより上と聞いていたがツインスパークの2リッターという燃費も含めた経済性も、さほど裕福ではないサラリーマンの私にとっては重要だった。
(当時の所有車の排気量合計は660CC、3300CC、2800CCの「計6760CC」)
セレスピードを選択したのは、オートマモード(正式にはCityMode)でイージードライブをしたかったから。クルマに刺激を求めつつも大抵は通勤で使用する。「楽しい」だけでいいのはホンダビートで充分だ。
155のスタイルは好きになれなかったが、156に関してはカマキリ顔以外は素晴らしいと常々思っていた。
「イタ車、しかもアルファロメオは壊れる?」に関しては最近のモデルなので、言われるほどでもないだろうとタカをくくっていた。
所有車の15年乗っている
ビートは旧い事もあるが国産にしては脆弱な部分が多く、路上で止まってしまった事もある。13年乗っている
アルシオーネSVXもあちこち弱い部分があり、入院や車検で年間数万〜数十万の治療費が掛かっていた。嫁の
ゴルフVR6もドイツ車のくせに壊れる(さすがにしょっちゅうでは無いが)。
クルマが壊れることへの自分の免疫を信じていた。
ただ当時は、あんな事態になる事は全く想定してなかったけど・・・・。